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鉛筆と筆が生み出す濃淡の世界、ステッドラー「マルス ルモグラフ アクェレル 水彩鉛筆」

 水と紙で、簡単に美しいグラデーションを生み出せる筆記具がある。ステッドラーの「マルス ルモグラフ アクェレル 水彩鉛筆」だ。

 ステッドラーは1974年設立の筆記具メーカー。1835年、ヨハン・セバスチャンが、代々受け継いだ鉛筆製造方法の知識や経験を元に鉛筆製造工場を設立。以降、近代化の流れとともに機械化された工場を展開し、国外に規模を拡大した。

 現在は、特に製図用シャープペンシルや鉛筆でよく知られるため、工学系や美術系の学校で学んだ経験のある人、関連する職業に就いている方にはおなじみのメーカーではないだろうか。

 マルス ルモグラフ アクェレルは、水溶の鉛筆。本製品と水があれば、黒やグレーの濃淡を表現して水墨画のような雰囲気のある絵を描ける。使用方法が簡単な上に、濡れた紙への書き込みや、乾いてから再度溶かすことも可能なので、表現方法の自由度も高い。

 今回使用したのは「マルス ルモグラフ アクェレル 水彩鉛筆6本セット」。水彩鉛筆5本(8Bと6B×各2本、4B×1本)と筆(8号×1本)の6本セットが、専用のメタルケースに入っている。

 ケースにはトレンドマークである「マルスヘッド」のロゴと、製品の写真、背景に鉛筆画がプリントされている。控えめな色数と、調和のとれた配置が美しいデザイン。

 鉛筆と筆には、ブランドイメージである「マルスブルー」の塗装が施され、ブランド名とドイツ製を示す文字が銀色で刻印されている。水彩鉛筆は単品でも販売している。

 使い方は簡単。まず、水彩鉛筆で線画を描く。水を含んだ筆で線画をなぞると、塗料が溶けて広がり、水墨画のような濃淡が生まれる。

 鉛筆が紙の上を滑らかに走るのが心地よい。黒の発色も良く、筆圧によって色合いが細かく変化する。光沢はあまりないので、光沢を求める場合は同社の製図用高級鉛筆を併用しても面白い。

 線画を溶かして濃淡を表現する以外に、あらかじめ別紙を用意して一部を鉛筆で黒く塗りつぶし、そこに水を含ませることで、パレットを作ることもできる。

 また、筆に含む水を少量にすることで、線画の原型をしっかり残しつつ、周辺をグレーになじませることもできる。

 子供のころ、教科書に落書きをする際に、鉛筆の線画を指でこすって濃淡を出していた方は少なくないと思う。その感覚にも近いが、筆を使用する分、細かい塗り方ができるし、濃淡のバランスも調整可能だ。何より、指の腹が真っ黒にならずに済むのもうれしい。

 まもなく年末。年賀状や、暮れの挨拶を作成する際に、味のあるイラストを手軽に加えて、特別な相手に感謝を伝えてみてはいかが?

今回の文房具:
マルス ルモグラフ アクェレル 水彩鉛筆6本セット100AG6 実売価格1200円前後
マルス ルモグラフ アクェレル 水彩鉛筆100A 実売価格200円前後/本

ステッドラー