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コネクティド・インク東京2018で見た新鋭のデジタル文房具

 ワコム主催のイベント「コネクティド・インク東京2018」が、ANAインターコンチネンタルホテル東京で開催された。

 「デジタルインク&デジタル文具」関連ビジネスの拡大、深化、普及を目的としたイベントで、文房具業界からはコクヨ、ステッドラー、モンブラン、ラミーといった企業が出展。各社が新製品や新技術について紹介した。

文字をデジタル化、モンブランブース

 モンブランのブースはデジタル文具「Augmented Paper」を紹介。Augmented Paperは、一見するとふつうのノートとボールペンだが、ノートに書いた文字や絵がリアルタイムでデジタルに反映される製品。

 すでに同シリーズの製品は販売済みだが、展示会場には未発売のモデルが展示されていたこともあって、賑わいを見せていた。

 腕時計メーカーの顔も持つ同社は、昨年「Summit」でスマートウォッチ市場にも参入しており、デジタルとの融合に意欲的な同社の姿勢が垣間見える。

ラミー、サファリデザインのデジタルペン

 ラミーの講演の様子を紹介。開発責任者マルコ・アッケンバッハ氏が登壇し、「アナログからデジタルへのトランスフォーメーションの旅路」というテーマで話した。

 同社もデジタルとの融合に意欲的で、2019年からはデジタルライティングの筆記具製作に取り組んでいく計画があるそう。

 ブースには「アルスター」や「サファリ」など、ラミーを代表するシリーズのデザインを活かした開発中のデジタル筆記具が展示され、来場者の興味を大いに集めていた。

 アジア諸国をはじめとして、生産コストが抑えられる海外に生産拠点を移すメーカーも多い中、同社では今でもすべての製品をドイツで作り続けている。ドイツのクラフトマンシップのDNAを持つデジタル筆記具が、来年以降市場でどのように受け入れられていくか、いまから楽しみだ。

見た目も材料もほとんど鉛筆、ステッドラーのデジタルペン

 ステッドラーは、本社の研究部門所属アレクサンダー・ビーナル博士による「伝統と新しさ(革新)の融合」と題した講演を実施。

 同社の主力商品である「鉛筆」の製造工程を解説し、その工程の成熟度の高さを語った後、同様の工程を活用して製造する未発売のデジタルペンを紹介した。

同社の人気シリーズ「マルス ルモグラフ 鉛筆」(奥)と、未発売のデジタルペン(最前)

 ブースには実機を展示。担当者によれば、同社のデジタルペンは、鉛筆と同じ材料を使っており、黒鉛や木材で構成されているそうだ。製図用鉛筆や画材の分野で大きなシェアを誇る同社だが、伝統的な製造方法と新鋭の技術を融合させ、アナログの鉛筆と同様の使用感を実現しようとする試みは、他社にない魅力と存在感を示していた。

 老舗の筆記具メーカーが、「紙への筆記」というフィールドを飛び出し、デジタルの世界での「書く/描く」行為に対して向き合う様子は、もしかすると、未来の文房具業界を示唆しているのかもしれない。来年以降も目が離せないイベントだ。