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1万円以下で買えるものも!機械式腕時計の魅力とは?

 文房具.Tokyo特別編「時計特集」の第1回。

 皆さんは「機械式時計」をご存知だろうか? 日頃、私たちが目にする時計の多くは「クォーツ時計」だ。クォーツ時計とは、交流電圧をかけると規則的に振動するという水晶の性質を利用した「水晶振動子」と呼ばれる装置を用いた時計のこと。アナログ、デジタル、掛け時計、腕時計を問わず、現代では、このクォーツ時計が圧倒的なシェアを誇っている。

 一方で、機械式時計とは、ゼンマイと歯車で動く時計を指す。広義には、からくり時計など大掛かりな仕組みを持った掛け時計なども含むが、ここでは「械式腕時計」を指すこととする。

 種類はシンプルに時刻だけを表示するもの、時刻に加えて日付や曜日を表示できるもの、時刻、日付、曜日、月の満ち欠けまで表示するものなどさまざま。また、ゼンマイを自分で巻く「手巻き時計」と、日常生活の腕の動きで自動的にゼンマイが巻かれる「自動巻き時計」の2種類にも大別できる。

 発明として、機械式時計はクォーツ時計よりも古く、クォーツ時計と比べると、製造にコストがかかる分、価格帯も高く、正確性にも劣る。では、なぜ時計好きたちは機械式時計を好むのか? その魅力を解説する。

電池が必要ない=信頼性が高い

 機械式時計は、巻き上がったゼンマイが元に戻る力を歯車で変換し、時を刻む仕組みだ。したがって、駆動には電池が必要ない。

 クォーツ時計は、水晶振動子に電圧をかけなければ動かず、駆動にはかならず電池が必要になるため、電池が切れれば、ある日突然動かなくなる。

 機械式時計は、ゼンマイが巻き上がっている限り止まることがない。このため、「うっかり時計が止まっていたことに気づかなかった」ということが許されないシーンでは信頼性が高いと言えるだろう。

 「電池が必要なく、ゼンマイが巻かれていれば突然止まる可能性が極めて低い」というのは、実用面での大きなメリットだ。

 その一方で、アナログな機械で動くため、精度の高いもので数秒ほど、精度が落ちているものでは数分ほどの日差が生じる。ほとんど時刻がズレることがないクォーツ時計とは異なり、定期的に正確な時刻に合わせる必要があるというデメリットもある。

 また、精度を保つため「オーバーホール」と呼ばれる分解清掃を数年に一度は行う必要がある。オーバーホールには費用がかかるため、電池交換だけで済むクォーツ時計と比べて、ランニングコストがかかるという面もある。しかし、オーバーホールさえ受けていれば、一生を共にする、子孫に譲るといったスケールで長く愛用できるアイテムだ。

機械の動く様子が楽しめる、眺めていて楽しい

 腕時計に興味がない方からすれば、非常にマニアックな世界に感じられるかもしれないが、時計好きは「ムーブメント」にこだわる。ムーブメントとは、時計を動かすためのゼンマイや歯車の集合体=機械式時計の心臓部を指す言葉だ。

 ムーブメントを自社で製造しているか? ムーブメントの仕上げや装飾の精度や美しさはどうか? ムーブメントとしての歴史はどうか? といった部分を気にして時計を選ぶのだ。

 見えない部分なのにこだわるの? と思う方もいるだろう。メーカーやモデルにもよるが、近年の機械式時計は、裏面をガラスにしたり、文字盤の一部や全面をスケルトン仕様にすることで、ムーブメントが動く様子を楽しめる構造をとるモデルも多い。

 小さなパーツの集合体がうまく噛み合って、時刻を刻んでいる様子は、機械式時計の醍醐味。見ていて楽しいのも機械式時計の魅力だ。またムーブメントだけでなく、ケースや文字盤にも各メーカーの趣向や工作技術が盛り込まれており、個性はさまざま。そういった意味では「お気に入りのものを身につけることで気分を上げる」という、アクセサリー的な要素も多分にある。

高級時計なら、資産になり得る

 高級なイメージのある機械式時計だが、安価な製品では、1万円を切る価格でも購入できる。しかし、ボリュームゾーンは10万円台後半から100万円を切る程度の価格帯になる。趣味性が高く、贅沢品とも受け取れるが、腕時計は資産と考えて保有している人も多い。

 貴重なモデルや、人気があって入手が難しいモデルなどは、メーカーの設定する小売価格を大幅に超える値段で取り引きされるケースも多く、株や為替のように、売り買いを繰り返す人もいるようだ……そこまでいくと、また別の話になってしまうが、毎日使える実用品でありつつ、資産的な価値を持ち、いざという時にはまとまった金額に換金ができるのも機械式時計ならでは。

 こうした資産になり得る高級腕時計の代表的なメーカーとしては「オメガ」「ロレックス」「タグ・ホイヤー」、さらに高額なメーカーとしては「パテックフィリップ」「ヴァシュロンコンスタンタン」「オーデマピゲ」などが挙げられる(もちろん、ここに挙げたのは特に知名度が高く代表的な一部のメーカーであり、ほかにも優れた数々のメーカーが存在している)。

買うなら増税前がオススメかも

 高級機械式時計は、消費税だけでもそれなりの金額になるため、購入するなら2019年10月1日の消費税増税前がオススメ。手間もかかり、安価で正確な時計や、スマートフォンといったいつでも時刻を知れるアイテムが手軽に手に入る現代では、機械式時計は決して必需品とは言えない。趣味性が高く、どちらかというと贅沢品のジャンルに入るだろう。

 しかし、愛着を持って一生、またはそれ以上の長きに渡って使えることの価値は何にも代え難いもの。前述したように、1万円を切る価格にも素晴らしい製品が複数存在しているため、ぜひ一度手にとって、その魅力に触れてほしい。お気に入りの万年筆やボールペンを使い続ける楽しさにも似た感覚が得られるはずだ。