大人の地球儀塾 第1回「地球儀を知る」
幼い頃、教室や勉強机の上で生活を共にした「地球儀」。大人になってから出会う機会は少なくなってしまったが、そのデザインや情報の豊かさは私たちの記憶に強く残っている。
昨今、そんな地球儀が「教室に置かれた教材」ではなく「生活を彩る愛用品」として、人気を集めていることをご存知だろうか?
「大人の地球儀塾」は、知っているようで知らない地球儀について学ぶ連載企画。第1回「地球儀を知る」では、地球儀について簡単におさらいしていく。
地球儀とは何か?
地球儀は、地球を球体で表現した模型である。球体のため、国同士の位置関係や、地軸の傾きについて理解しやすい。
地球儀の歴史は古く、紀元前150年前後にギリシア人哲学者によって最古の地球儀が作られたといわれている。
現存する日本国内最古の地球儀は、長崎県平戸市の松浦史料博物館に保管されているオランダ産のもの。現在は長崎県指定有形文化財に指定されている。
また、戦国武将の織田信長は、ポルトガル人宣教師から地球儀を見せられ「地球が丸い」ということを説明されたという逸話がある。
どんな種類があるのか
「地勢図」と「行政図」
地球儀は、大きく分けて「地勢図タイプ」と「行政図タイプ」の2種類。
地勢図タイプは、等高線(地表の起伏を示す線)によって色分けされた地球儀。海の深さや山の高さなど、地理的な情報を捉えやすいのが特徴。
行政図タイプは、国別に色分けされた地球儀。国境がわかりやすく表現されていて、国名を覚える教材に適している。ピンクや黄色など色鮮やかなのが特長だが、インテリア性を重視し全体を茶系の色合いで統一したものもある。
ほかにも、地球儀の表面に隆起を作って立体的に山岳を表現した地球儀や、内臓したライトのオンオフで「行政図」と「地勢図」が切り替わるタイプの地球儀もある。
台座の形状
台座の形状は「卓上スタンド型」「フロアスタンド型」のほか、球が宙に浮く「浮遊型」など、バリエーション豊か。
実際に販売されている地球儀を、いくつか紹介する。
卓上スタンド型

渡辺教具製作所
卓上スタンド型の地球儀。行政図タイプでグリーンやオレンジ系の色を採用しているため、文字が見やすい。
卓上用地球儀 WBC(行政)No.2307 黒プラスチック台
実売価格:8600円前後
フロアスタンド型
アメリカの地球儀ブランド「リプルーグル」、高さ82センチのフロアスタンド型地球儀。木製支柱が深い味わいを演出している。
ヨークタウン(行政)
実売価格:24000円前後
浮遊型

テンヨー
浮遊した状態で自転する地球儀。LED照明を搭載しており、暗い場所では地球儀全体が青い光に包まれる。
実売価格:9600円前後
さいごに
まだ見ぬ国に想いを馳せたり、旅行の思い出を振り返ったり、さまざまな楽しみ方ができる地球儀。
自室やオフィスのデスクにひとつ置いてみてはいかがだろう?